子役タレントは次から次へと可愛らしくて個性のあるキャラクターが生み出され、気づいたらそのほとんどが数年で姿を消しています。

その一つの切り替わりの時期が「声変わり」の頃だと言われています。

それまでの高い声がじわじわと低くなり、身長も伸びて顔つきも変わり、世間一般から求められる「無邪気さ」「可愛らしさ」を作り上げられなくなる、そのことが子役タレントとしての価値を下げているのではないか、価値が下がったからいつの間にか消えていくのではないか、と思われがちですが、それはちょうど人生の節目に差し掛かった彼ら自身の選択というものが大きいのです。

子役として小さいころから忙しく仕事をしていても、将来的にアイドルや俳優、歌手などに転向していけるのはごく少数です。どうしてもそちらに進みたい、という意志と、周囲に認められるだけの実力を兼ね備えている人たちばかりではありません。これから先の将来を考えたときに、進学して一般的な進路を目指していこうという人の方が実は多いかもしれません。

確かに、子役という仕事では、小学校高学年、中学校、高校と進むにつれて仕事の内容が変遷していき、可愛らしさという需要には合わなくなっていくのでしょう。

よって、将来を考えて一時的に学業に専念して水面下でレッスンを重ねて本格的な俳優やタレント、歌手への道を目指していくのか、それとも諦めて引退していくのか、という岐路に、彼ら自身が立つことになるのです

その時期が、たまたま「声変わり」の時期に重なるために、その節目を境にして「タレントとしての価値が下がる」という見解に結び付けられてしまうのでしょう。しかし、それぞれの事情や意志でさまざまな道に進んでいく子役タレントさんたちの、その時点での価値が下がるかと言えば、そうでもない、というのが正直なところです。

思春期ともいうべきその時期の「役」は、その時期の子供たちでなければリアルに演じられないのも事実です。様々な事情で人数が減ったその枠にも、ふさわしいとしてオファーされる「元・子役」さんたちがいるわけで、そこに残った少数精鋭の演技力や歌唱力、個性を兼ね備えた彼らは、優秀な表現者として大人になっていくのです。

そうなりたいと望む誰もがその域に達することができるわけではありませんが、前述のようなその分岐点がちょうど声変わりの時期にあたる、というだけのことなのです。

今春、幼いころから大活躍を続けてきたタレントさんが中学生になり、大きな話題になりましたが、その学業に対する真摯な態度と、受験が終わって一段落したからと再開された仕事のクオリティには大人たちが圧倒されています。その価値というのであれば、ますます磨かれて、将来が楽しみだと言われる存在になっているのです。

声変わりでそのタレントとしての価値が変わる(下がる)のではなく、彼らが人としての自分を見極め、次のステップに進むかどうか、というその分岐点に差し掛かった、ということなのです